残念イケメンと愉快なお茶会
プロローグ
「お茶会部?」


耳にしたのは聞きなれない部活名。素直に首をかしげれば、友人は驚いたような声を出す。


「知らないの!?あそこ、部員だけじゃなくて訪れた人皆おもてなししてるんだって!今度行こうよ!」


「ただでお茶とお菓子をいただけるってこと?うわ、うさんくさっ。どこからそんな部費出てるわけ?」


呆れ気味にそう返せば、彼女はぷくっと頬を膨らませる。自分の思い通りにならなかったときにする、この子の癖。


この学園は私立だから、お嬢様やお坊ちゃんがわんさか。


この子もその一人。根っからのお嬢様気質なのだ。


「いーこーよー!絶対楓ちゃんの小説のネタになるって!」


「いや私ファンタジーかミステリーしか書かないし。」


はあ、思わずため息をつくと後ろからフワッと甘い匂いに包まれた。
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