恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!

 ベッドの上に、彼は私を優しく横たえた。まるで繊細なガラス細工でも扱っているように、そっと。
 私を真上から見下ろす彼の上から、月光が差し込む。その明かりが薄暗い部屋の中では逆光になって、彼の表情がよく見えない。

 そっと彼の大きな手が私の頬を撫でた。

 「杏奈、好きだよ。出来るだけ優しくする…だから俺に預けて欲しい。」

 目をギュッとつむって、小さく頷いた。
 その私も目元に、彼は「ちゅ、ちゅ、」と小さなキスをする。

 額、こめかみ、頬、鼻、瞼、―――顔中の至る所に短いキスを降らせた彼は、最後に私の唇にキスをした。

 何度目かの口づけは、最初から熱を帯びていて、さっきソファーの上で交わした続きだと分かる。
 もう既に彼の口づけに慣らされ始めた私は、彼の舌の動きに身を任せた。

 「んっ、ふあっっ…」

 口づけの合間に漏れる声が、自分のものとは思えないくらいに艶めかしい。
 羞恥で心臓が爆発しそうなのに、彼の舌が私の口内をなぞるだけで、体から力が抜けていく。ゾクゾクと背中を這う感覚にまたしても腰が痺れていく。

 長い時間をかけて口づけを受け続けた私は、体中が燃えるように熱くて、何も考えられなくなっていた。
 口づけと同時に私の体をなぞる彼の大きな手も、私を熱の塊にさせてしまう要因だった。
< 226 / 283 >

この作品をシェア

pagetop