恩返しは溺甘同居で!?~ハプニングにご注意を!!
 「アパートのこと、ですよね?」

 そう言うと、彼は頷いた。

 「言いたくない、わけじゃないんです。瀧沢さんには色々とお世話になってるから、ちゃんと報告しようと思ってて…」

 「うん。」

 「アパートの部屋、全然ダメでした……」

 そう口に出した途端、目にみるみる水が溜まってくるのが分かる。
 
 「部屋のなか、水浸しで、天井からも水が落ちてて…」

 ちゃんと話そうと思うのだけど、部屋の惨状が頭に浮かんできて、声が詰まる。

 しんみりするのが嫌で、無理やり明るい声を出した。
 
 「で、でも、管理人さんに会えて、住人みなさんが無事だって聞けて、ほんとうに良かったって、」

 全部言い終わる前に、私の体を瀧沢さんが抱き寄せた。

 「ごめん。」

 壊れ物を守るように、そっと優しく私を包み込んだ彼は、そう言った。
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