例えば、XXとか。

私の知らない碧斗を知る時がいつか来る。

この時はまだまだ、ずっと先だと思っていた。

私と出会う前の碧斗を知る優雅……

私に投げ掛けた言葉はきっと、私のためであり、優雅の不器用な優しさ。


碧斗が私を傷つける……

それは、すぐの事だった。



彩膳。



一人の女性が店の裏から入りオーナー室にいた。

そこには和臣も一緒にいる。

そこへ呼ばれて来たのは碧斗。



「 碧斗 」

「 ……亜稀 」

「 久しぶり、碧斗 」



なぜお前がいる…… どうして……



和臣は気を利かせ部屋を出る。



「 亜稀、なんでここにいる 」

「 あなたに会いたくて 」



眉根をクッと寄せる碧斗……



店では滉が亜稀を見掛け、和臣の彼女かと聞いたところ、驚く返事を聞いた。



「 彼女は桜井 亜稀。碧斗の彼女… 」



滉は顔を歪ませ和臣に冗談がすぎると言ったが、事実だと言われる。



「 そんなバカな…… 」

「 2年ぶり、か…… 碧斗が大学入ってすぐ雇ったから、そうだな。
突然、いなくなったんだ… あれから2年、いきなり現れるとはな 」

「 伊織ちゃんは… どうなるんすか 」




困惑しかない滉に、和臣は何も言わない。




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