例えば、XXとか。

無事に式が終わって父と母が扉を開けて驚いていた。


拍手喝采。


四人だけで細やかな結婚式のはずが、碧斗は密かに自分の友人や彩膳のオーナーやバイト仲間、私の友達の菜月、利香にも声をかけて呼んでいた。



「 碧斗 」

「 俺には身内同然だから、伊織の友達も大事だろ 」



碧斗…… そんな風に思ってくれてたんだ。



「 幸せって人に囲まれてるもんだと思ってさ 」



碧斗は優しいね。

お母さん、泣いてる……



「 伊織のお母さん綺麗!うちの親なんて無理だな~ クビレないもん 」

「 わかるー! うちのママも、最近化粧しなくてさ~ ドレスなんて無理~ 」

「 菜月ちゃん、利香ちゃん…… 」

「 泣いたらダメだよ~ せっかく綺麗なんだし、笑って写真撮ろうよ 」



菜月と利香が母を間に写真を撮り、父も入れて写真をたくさん撮っている。

私はその光景を撮った。



「 碧斗… 式、良かったね 」

「 そうだな 」



母がブーケトスをすると言い、なぜか男たちも混ざりブーケを取り合う。

運良くブーケを取ったのは、彩膳の未沙。

みんなに囲まれて思わず涙する未沙を幸哉が頬笑み見ていた。



「 伊織はブーケ欲しくないの?」

「 私はいいよ 」



碧斗がいるから、それだけでいいの。




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