例えば、XXとか。

その日は一日彼の事が頭から離れず、三日も経てば薄れそうだが、目に焼きついた彼を忘れずいた。

それからさらに二日後、私は彼と再会することとなる。

それも、信じられない場で。



私は母と二人家族、小学生の時に父は母と離婚し出ていった。

お酒を飲むと悪い癖がある父だったせいか、私はお酒が飲めない。

母と二人になってからは生活は決して楽じゃなかったけど、穏やかな生活を送っていた。

そんなある日、母から聞いた事……



「 伊織、会わせたい人がいるんだけど……」



言われてピンッときた。

お母さんには好きな人がいる、そう気づいた。

相手には私と年が近い息子がいると教えてくれた。

気さくで優しい息子だと言った。

気持ちとしては素直に嬉しい、半面、複雑。



顔合わせの日。



現れた彼を見て、開いた口が閉じず驚いてうまく挨拶出来なかった。



なんで彼が……

あの時の、書店で会った人が……

嘘でしょ……




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