<茜色の笑顔>


家への帰り道に、

小さな写真館がある。

いつも、

仕事が終わった頃にはしまっていて、

あいているところを見たことがなかった。

でも、

今日は店の電気がついている。

なぜか気になって店のドアを開けた。

「いらっしゃい」

店の中は思ったより広く、
壁にいくつも写真がかけられていた。

その写真のほとんどが人を写したもので、

みんな「幸せ」を感じさせる「笑顔」だった。

「写真に興味があるのかい?」

店の主人が言った。

「店の明かりがついていたから入ってみようかなって、いつもこの時間はしまっているから」

「今日は孫が来るから開けておるんだ」

ニコニコしながら店の主人は言った。
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