絶対やせてやる!
もう振られたとかみんな思ってる?
何だか急に私可愛そうな人になっちゃったみたいじゃない!

「先輩・・・ご愁傷様。」

「何のこと?」

「またまたあ~。

今朝、愛の告白を受けた相手からあれは間違いでしたって言われたんですよ。

外でビビビっとくる女見つけちゃったんですかねえ。」

毒舌後輩は私のずっと後ろを見て

「もうこっち見てませんね。」

と言いつまらなさそうにパソコンの画面に視線を戻した。

関係無いし・・・
本当によかった!

そう思いはしたが・・・何か複雑?




帰りのロッカールームでは、超お局様が

「支店長、本社の部長からキツイお叱りを受けたらしいわね。」

「そうなんですか。」

なんだ・・・いつの間に・・・

「まさか若木さんがセクハラだなんて部長に直訴した訳じゃないわよね?

若木さんにセクハラだなんて誰も思わないけど、

ああゆう言動はセクハラになるだのコンプライアンスに引っ掛かるだのって。

最近じゃ下手なこと言えないわね。

海外育ちらしいからちょっと他の人と感覚が違うみたいだけど・・・

最初は驚いたわ。誤解だったみたいだけど。」


超お局は気分よさそうに鼻歌なんか歌いながら着替え終え、

「じゃあ、お先ね。お疲れ様。」

と言って帰って行ってしまったのだった。

「・・・・。」

と言うことは、誤解は解けたって言うか・・・
支店長の話は無かったことになったんだよね?

あの古宇支店長の一言でこんなに簡単に解決してしまうなんて・・・。

少しホッとした。



けど・・・つ~か、本部長に密告したのって誰?



「まっ、いいかあ。」


事件は解決した訳だし・・・


安心したのも束の間・・・

< 141 / 296 >

この作品をシェア

pagetop