絶対やせてやる!

「まだ車来ないんですか?」

「うん、土曜日に来ます。

みのりさん一番初めに乗せる約束でしたね。」

「約束してませんから。

それより支店長、駅前まででいいですか?」


結局今日も送るかたちになってしまった。


「一緒に食事して帰りましょう。

それと支店長じゃなくて一馬です。」

「けっこうです古宇さん。」

「一人の食事ってワビシイんですよ。」

「ちょ、ちょっと!顔近いです!」


まただ・・・

バックミラーを見る前に顔がすぐそこにあるから・・・

ビックリするし・・・変にドキドキする。


運転に集中できない!




「死にたくなかったら、ちゃんと座ってて下さいってば!」


ハンドルが少しブレた。


「死にたくないです。」


古宇さんは大人しくなった。



< 162 / 296 >

この作品をシェア

pagetop