絶対やせてやる!
春―手にしたもの、無くしたもの
「あれ?今日も行くの?」

「うん。」

「もう、結構いい感じなんじゃないの?」

「うん。あと半月だし大丈夫だと思うけど・・・
気は抜けないからね。」

「だよね。太るのなんて簡単だもんね~」

「やめて!もう、太らないんだから!」

「私の結婚式は太った姉の出席はご遠慮願いますから~。」

「分ってるって・・。」


妹ほのかの結婚式まであと半月となった。

準備は着々と進み当日を待つばかりのほのか。



私は、と言うと・・・


「あ、携帯鳴ってるよ。」

「ああ、うん。」


古宇さんだ。


「はい。今行きますね。」

「一馬さん?」

「うん。もう、うちの前まで来てるって。
行くね。」

「いってらっしゃ~い。」

「いってきま~す。」


私は、スポーツバックを持って玄関に向かった。

外に出ると家の前に車が停まってるのが見えた。


古宇さんの外車だ。


土日はずっとスポーツクラブに通ってる。


私のダイエットのため。


一人じゃ続きそうにないから古宇さんも一緒に行ってくれてる。

私がリバウンドした原因が自分にあると責任を感じて・・・

別々に行くと私がさぼる心配をして迎えにまで来てくれてる。



今は・・・彼氏じゃないのに・・・



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