絶対やせてやる!
「みのりさんに言って無かったけど、
こっちに来る前に長く付き合ってた彼女と別れたんです。」


はい・・・知ってます

遠距離だった彼女でしょ?


「そうなんですか・・・。」


知ってたけど知らないふり・・・

社内の情報網の凄さをわざわざ教えることもないし・・・

古宇フアンクラブの存在だって本人も知ってるかどうだか・・・


「ええ、7年付き合ってて・・・」

「7年!長いですね。」


どうして結婚しなかったんだろう?

聞いちゃっていいのか・・・

でも・・・自分で話し出したんだし・・・


「どうして結婚しなかったのかって思ってますよね。」

「はい・・・。」


古宇さんの方を向くと彼はこちらを見ることなく運転に集中してるのか、それとも遠く過去を見つめているのか?ただ淡々と話し始めた。


「彼女と出会ったのは・・・
彼女が17歳高校2年の時で
当時僕は29歳で・・・
彼女が高校卒業したらすぐにでも結婚したいと思ってました。
・・・・・・・・・」


12歳の年の差・・・

親の反対・・

彼女の進路の希望・・・


「二十歳になるまで待つって決めて、
その間に僕が転勤になって・・・
遠距離しながらお互いに同じ気持ちでいると思ってました。・・・・」


子供から大人へ・・・

彼女の周りの環境の変化・・・


「短大を卒業して彼女がすぐに結婚に踏み切れないと感じて・・・
もう少し待つことにしたんです。・・・」


4年待った・・・

あと少しだけ・・・


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