絶対やせてやる!
しばらく車の行ってしまった方を向いたまま立ち尽くしていたら――――


「みのりお姉さん?」


一部始終を見ていた人がいたのだった。


「し、新くん・・・来てたんだ。」


車庫から出てきた新くんの困ったような顔。


「はい。」


見ちゃいけないもの見ましたって感じ?


別にそんな大したことないけど・・・

まっ・・私の反応は大げさだったけど・・・


「何か見た?」

クギさしておこう・・・

「え?いえ・・」

「余計なことほのかに言ったら結婚式で暴れるからね。」

「・・・・。」

「な~んて冗談よ。」


私が言うと冗談にとれないのも分かってる。


「・・・・。」

「あれ?なにそれ?」


新くんの両手に買い物袋。


「ああ、今、ほのかの車借りて買い物に・・・。」

「ふう~~~~ん。また、パシリ?」

「ち、違いますよ。ほのかとお母さん忙しそうだったんで・・・。」


金持ちの青年実業家もうちの人たちにかかったら・・・

新くんが、ほのかの尻に敷かれるのも目に見えてる・・・・

ほのか大好きなんだもんね~


それにしても・・・


「何も言いませんから・・・ご心配なく。」


新くんは、そう言うと先にうちに入って行った。



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