絶対やせてやる！

「士幌の父親は、とても裕福なうちの次男だったのよ。
私は、普通の家庭の育ちだったけど
彼は、次男だから問題なく結婚して・・。」


話ながらどこか遠くを見てるような

そんな士幌の母親


「夕が生まれたころだったわ、
彼のお兄さんが亡くなって
急に彼に・・・士幌の父親にいろんな責任が出てきたの。

もちろん、妻の私も同じで・・・

だけど、育った環境とかいろんなことが
その時になって違い過ぎるって実感して・・・


絶えられなくなった私は士幌を置いて
うちを出たのよ。」


何だろう？

遠い目のその先に・・・

後悔？




「士幌が今いるところは、私が絶えられなかった世界なの。


でも、住めない世界じゃないのよ？」



住めない世界じゃない・・・か



「ほら、ダイエットしてみのりさんも
違う世界が見えたでしょ？」


「はい・・・。」



実際に買えなかった
入ることさえできなかったお店に
入れるようになった。



ＬサイズやＬＬサイズの店じゃなく
世界が広がった。




「元デブの世界しか知らなくて、
ずっとその世界で生きてきても、
新しい世界にすぐ順応できるものでしょ？

元デブって言われたとしたって
今は、やせてるのよ！って
やせてる人のお洋服のお店に入って
買うでしょ？」



うむ・・・


元デブの世界・・・かあ。。。


士幌の母親ってば・・・


すごいはっきり言うなあ・・・