Miseria ~幸せな悲劇~

やっぱりきついな。足が動かないって……美花はそう思いながら怪我をした右足を見た。


「…………」


あまりにも突然の怪我だ。普通ならありえない。だからこれが、喰イ喰イによって一命をとりとめた妹、風花の代償であることを美花は薄々気づいていた。


そして、そのことに、一瞬だけ後悔したのもまた、事実だった。


「でも…………これでよかったよ…」


美花にとって、身を裂くような辛い不幸を背負ってしまったことはたしかだ。しかしその代わり、美花はまた輝くような風花の笑顔に出会えた。


一度は諦めかけた大切な妹との再会だ。


それは美花にとって何者にも代え難い『幸せ』であった。
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