Miseria ~幸せな悲劇~
そんなメイの視線の先で、黒いヒールをはいた女性の足元が見えた。葬儀には似つかわしくない高いヒールだ。
そしてその女は、花の前を横切ると同時に何かを落としていった。
「人形……?」
そこには白い花の中に一体の首のない人形が横たわっていた。子供の胸におさまるような小さな人形だ。
「………………」
すでに人形を落とした者の姿はなかったが、メイにはその人形が異様に気にかかった。
泥と黒い灰のようなものを纏い薄汚れている。それに人形の服は凪瀬校の制服に似ている気がした。
薄気味悪い……。
メイはその人形にただならぬ嫌悪感を覚えた。しかし、同時に、なぜかメイはその人形が懐かしく思えた。どこかで見たことがある気がしたのだ。