Miseria ~幸せな悲劇~
喰イ喰イが家庭科室に入ると、メイは電気のついていない真っ暗な部屋の奥で水をかぶっていた。
「クスクスクス、クスクス……」
喰イ喰イに続いて、30体近い人形が家庭科室に入ってくる。
「メイ……」
喰イ喰イは美女に言い寄る詐欺師のようにメイに近づいた。
「そこまでよ。喰イ喰イ…」
喰イ喰イがメイに近づこうとすると、暗闇の中から祐希が現れて、喰イ喰イにライターを向けた。
「祐人をあなたに、殺させはしない!!」
祐希はライターを着火させようとライターの蓋を開けた。
「へぇ……」
喰イ喰イは家庭科室のガス機器からガスが漏れていることを目で確認した。
「そんなことをしたら死ぬわよ? あなた…」
ガスに火をつけて喰イ喰イごと焼き払う。
喰イ喰イはそんな祐希の思惑を嘲笑うかのように笑みを浮かべた。
「それでも、構わない! だって、祐人のためなら、私、命なんて惜しくないよ!」
祐希は黒く大きな瞳で喰イ喰イを睨みつけた。
「…………」
そんな祐希の姿を、メイはじっと静かに見つめた。