極悪プリンスの恋愛事情
ようやく着替えが終わり、更衣室のドアを開ける。
するとタイミングよく隣のドアも開いて、中から出てきた相手と顔を見合わせた。
「あ、花野井ちゃんだ。今から自由時間?」
「うん。岸本くんも?」
「まぁね」
隣の教室から出てきたのは岸本くんだった。
稼ぎ頭の岸本くんが抜けたら、午後からお客さんが減っちゃいそう。
「ほんとは行かないで〜って泣かれたんだけど、無理矢理逃げて来た」
ベッと舌を出して笑うから「そうなんだ」と、つられて笑った。
岸本くんも容姿は抜群にいいもんね。
今日は凛くんがいないわけだし、校内にいる男子の中ではダントツの人気だと思う。
だから余計に大変なんだろうな。