極悪プリンスの恋愛事情

「えっと、花野井静香……です」

「花野井さん、ね」


名前を呼ばれただけなのに、なんだか緊張してしまう。

林田さんが凛くんの元カノだからかな……。




「単刀直入に聞くけど、花野井さんってどうせ凛のことが好きなんでしょ？」


「へっ！？な、なななんでわかるんですか！？」


「なんとなく…………というか、凛の側にいて好きにならない子、たぶんいないから」


「なるほど……」



妙に納得した。

大袈裟すぎでは？と思ってしまうところだけど、林田さんの言葉に間違いはない。

凛くんに魅せられたら最後、恋に落ちないわけがないもの。


だから、凛くんと一緒にいるイコール好きってことが簡単にバレてしまう。



「で、凛のことが好きな花野井さんに忠告したいことがあるんだけど」


「忠告、ですか？」


「うん」