極悪プリンスの恋愛事情
「ひゃっ………!」
勢いよく飛ばされた私の体は、なんの抵抗もできずに大きな尻餅をついた。
抱えていたカップケーキも地面に転がり、女の子たちから鋭い視線を浴びている。
「なにこれ?もしかして、相崎くんにプレゼントでもするつもりだったの?」
ゆっくりとカップケーキに近づいて、丁寧に結んだリボンが解かれていく。
そして、ニヤリと不敵な笑みを浮かべれば─────。
「相崎くんがこんなもの食べるわけないじゃない!!」
ぐしゃりと、カップケーキを踏み潰した。
「やめて…………!」
今更声をあげても遅かった。
土にまみれたカップケーキは既に原型を失っている。
そんな…………。
気力が抜け落ちて、高笑いする声に反応すらできなくなっていた。