極悪プリンスの恋愛事情
いくら凛くんが優しくても女嫌いなのは変わらないし、私と関わるメリットもない。
これ以上余計なこと言って凛くんを困らせたら、本気で拒まれてしまう気がした。
だから、あとは黙ってやり過ごそうと。
───思ったのに。
「しかたねーな……」
はぁ、と短いため息が聞こえた後、凛くんは土まみれになったカップケーキを掴んでいた。
そして、ためらいもなく口の中へと放り込む。
「え………?」
何が起こったのかわからず何度もパチパチと瞬きを繰り返す。
「んだよ」
不機嫌そうに口を動かす凛くんを見て、ようやく状況を飲み込んだ。