極悪プリンスの恋愛事情


土まみれのケーキなんだから美味しいわけないじゃん。

無理して食べてくれたのはただの気まぐれなのか、優しさなのか。

たとえどっちでもなくたって嬉しいことに変わりはない。


「ありがとう……」


歪む視界で小さく呟く。

凛くんは無表情のまま「別に」と口元を拭いた。


こういう時だけちゃんと優しいのは卑怯だよ。

わざとやってるの?ってくらい的確に沼らせてくるからまんまと抜け出せなくなっちゃう。


ぐいっと涙を拭き取って、凛くんの姿を真っ直ぐ見据える。


「なんだよ」


相変わらずの素っ気なさだったけど、構わず言ってやった。



「好きです」


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