お見合い結婚狂騒曲
「真央ちゃん、ご愁傷様。覚悟を決めて行ってらっしゃい」
「ちょちょっと、どういう意味ですか!」

声を上げたのは土田さんだ。
何が何やらの私は、固まったままジッと耳を澄まし、二人の会話を聞く。

「まんまですよ。先に言っておきますが、『見合い屋』の規則とか、見合いの手順とか、ああいうの、葛城の爺様には通用しませんから」

なんかもう意味不明だし、メチャクチャな言い分だし、土田さんは埴輪だし、爺様って……何!

「とにかく……真央ちゃん、ガンバ!」

握り拳を両手に作り、肩の辺りでウンと力を入れ、応援スタイルをとるが……。
真斗さん、貴方、この状態を楽しんでいますね! 顔が笑っています。

本当、もう、勘弁して下さい。今日は厄日? 朝のダメージも残っているというのに、再起不能です!

「ーーねぇ、ということは、もしかしたら真央って葛城一族の一員になるっていうこと?」

他人の振りでダンマリを決め込んでいた公香が口を開く。まぁ、他人には違いないんだけど……。

「今週末の出会い次第だと思うよ」

真斗さんが溜息交じりに、「きっとそうなるだろうね。真央ちゃん、爺様の好みドストライクだから」と哀悼の念を込め言う。
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