君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
◆
昼休み、さっさとお弁当を口にかきこんで、樹里に断って教室を出た。
今日のラブレターは最多の5通。
授業の合間の休憩時間に2通は手渡し済み。昼休みにも2通渡して、午後に1通の予定でいる。
間に合わなければ放課後に。それくらいの余裕を持つように気をつけている。
「ひとりで行くのか?」
廊下を駆け足で進んでいくと、トイレにでも行っていたらしい深月と会った。仕方なく立ち止まる。
2つの封筒を持つあたしの手元を見て、大丈夫かよとでも言いたげな顔をしてきた。
「うん。1年の時同じクラスだった子と、同中の男子だからあたしでもわかる」
「ふーん。……お前、それでそういう手紙何通渡してきたことになる?」
「は? なに、急に。数えてないけど……30通、くらい?」
あれ、もっとだっけ? でもそんなに渡してるんだ、あたし。
改めて数字にして、自分でも驚いた。加奈子の1通目ですでに、二度とごめんだって思った気がするんだけどな。
「もういい? 2通渡すつもりだから急がないと」
「……お前さあ、何でそんな必死にやってんの?」
断るって言ってたくせにと、深月は理解できないらしく眉を寄せている。
昼休み、さっさとお弁当を口にかきこんで、樹里に断って教室を出た。
今日のラブレターは最多の5通。
授業の合間の休憩時間に2通は手渡し済み。昼休みにも2通渡して、午後に1通の予定でいる。
間に合わなければ放課後に。それくらいの余裕を持つように気をつけている。
「ひとりで行くのか?」
廊下を駆け足で進んでいくと、トイレにでも行っていたらしい深月と会った。仕方なく立ち止まる。
2つの封筒を持つあたしの手元を見て、大丈夫かよとでも言いたげな顔をしてきた。
「うん。1年の時同じクラスだった子と、同中の男子だからあたしでもわかる」
「ふーん。……お前、それでそういう手紙何通渡してきたことになる?」
「は? なに、急に。数えてないけど……30通、くらい?」
あれ、もっとだっけ? でもそんなに渡してるんだ、あたし。
改めて数字にして、自分でも驚いた。加奈子の1通目ですでに、二度とごめんだって思った気がするんだけどな。
「もういい? 2通渡すつもりだから急がないと」
「……お前さあ、何でそんな必死にやってんの?」
断るって言ってたくせにと、深月は理解できないらしく眉を寄せている。