君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
「真面目で、しっかりしてて、良い子のあたしじゃなくていいって言ってくれる人たちなの! あんたやお母さんみたいに、勝手なイメージを押し付けてきたりしない! 他人だけど、家族よりずっと楽にいられる、そういう存在なの!」
その叩きつけるような怒りは、智花の悲痛な叫びだった。
真正面から受け止めたあたしは、呆然となった。だって、あまりに寝耳に水で。智花がそんな風に感じてたなんて、想像もしてなくて。
「そ……そんなに、嫌だったの?」
4人になった生活が。あたしとお母さんが増えてからの、この5年ほどの日々が。
「当たり前でしょ!? 息苦しくて仕方なかった!」
「それなら、それならそう言えば良かったじゃん! あたしはずっと、何でそんなに良い子でいるんだろって、言いたいこと言えばいいのにって思って……」
「言えるわけない! 無神経で自己中な歩とちがって、あたしは普通に周りに気を遣うから!」
「む、無神経で、自己中……」
「自覚なかったの? あんたが何もやらないから、あたしが全部やる羽目になったんでしょ? 良い娘像を押し付けられたのだって、全部あんたの自己中が原因じゃん!」
「あ、あたしは別に、そんなつもりは……」