君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている

「ま、あたしのことはどうでもいいの! それよりさ、元気出しな? 県大会終わってから歩、ずっと元気ないじゃん。矢田くんも心配してんじゃないの?」

「あー……いや。深月には散々けなされてる。たった1回負けたくらいで折れてんじゃねーぞ、根性なし! って。ひどくない? 傷心の仲間を慰める気さらさらないんだよ」

「それはあんたを元気づけようとしてくれてんだよ。わかってるんでしょ?」

「そうかなー。まああたしもさ、凹んでたって仕方ないって思ってはいるんだけど」

「そうそう! 歩が元気ないとこっちが調子狂っちゃうよ。それにほら、剣道小町の仕事もまだ休業中じゃん? みんな待ってるよ、あんたが奇跡を起こしてくれるの」



恥ずかしいあだ名を職業名みたいに言わないでほしい。

完全に面白がってるなと思いながら、ちっとも動かない雲を見上げパックジュースのストローを噛む。



「なんかもう疲れたし、このまま廃業しちゃいたいなー……」

「えー。もったいない」

「なにが」

「あんたが手紙持って走る姿、うちの学校の名物みたいになってたから。見られなくなると思うとちょっと残念」

「もー。他人事だと思って、勝手だなあ」



でもあたしも、楽しんでいた瞬間もあった。

これから自分が何をするべきなのか。まだ答えは見つからず、あの厚い雲のように立ち止まっていた。




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