君への最後の恋文はこの雨が上がるのを待っている
逃げていく生徒に追いすがろうとした時、背中に驚いたような、そして非難するような声がかけられた。
振り向くと、いつもの三つ編みに長いスカートを着た、絵に描いたような優等生姿の智花がいた。
「智花……! よかった、まだいた!」
「よかったじゃないって! こんなところで何してるの!? それに何その格好! ケガしてるじゃん!」
安心して駆け寄るあたしに、智花は警戒するような目を向けて来る。
でもボロボロのあたしを心配するような素振りもあって、そのことにほっとした。
「あのさ、あたし、智花に言わなきゃいけないことがあって!」
「わざわざ学校に来てまで言わなきゃいけないこと?」
ひと目を気にするように、智花があたしの腕を引っ張って道の端に移動する。
顔を合わせた途端追い返されるのも覚悟してたから、こうして話を聞く態度を見せてくれただけで嬉しい。
「やっぱり、智花には、優ちゃんに会ってほしい」
「……またそれ? まさかそんなこと言いにここまで来たわけ? そんなボロボロになって」
信じられないと、智花がバカにしたように笑う。
冷たい目が、言葉が、ぐさぐさと胸に刺さるけど、めげるもんかと見返した。