見合い相手は、変貌を遂げた御曹司


そのまま、その日はホテルに泊まった。


未だに思考が思うように働かず、只々呆然とソファーに座る。


「ごめん。こんな大事な事、詩織に話してなくて、、、。俺もさっき呼ばれて言われたんだ。正直戸惑ったけど、任されたからには必死でその役を全うしようと思うんだ。これからもっと忙しくなると思うけど、着いてきて欲しい。」


後ろから抱きしめられた。
その逞しい身体は少し震えていて、そんな暁人の腕を強く抱きしめる。


「お役に立てるかわかりませんが、、私を頼って下さい。貴方の妻として私も役目を果たします。でもそれは神崎ホールディングスの為ではありません。暁人君が、好きだから。暁人君の1番の理解者でありたいから、、。」


「ありがとう、、、。君に会えて良かった。」


泣いているような声に聞こえて、思わず身体の向きを変え暁人の首にしがみつく。
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