たとえこの身が滅びようとも


それから

私達は卵を授かる事もなく
平凡に静かに過ごす。

人々の心は少しずつ
見えない波が押し寄せるように
どこかで高ぶり
どこかで抑えが効かなくなる。

昨日
下の階に住む女性が政府に捕まり殺された。

卵を産み場で産まず
自宅で産んだらしい。

卵は没収され
彼女の夫は泣き崩れ

彼は妻を殺した役人に襲い掛かり
逆に殺された。

そんな事件が多くなる。

私達は感情をあらわにし

反抗を覚える。










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