今の私は一週間前のあなた


「…3日、後…?」




やっと声が出たと思えば頭によぎった乃々の言葉を復唱しただけで。



「そ。私は12月25日に一週間後の世界。つまり12月31日からタイムスリップしてきたの」



タイム…スリップ…
『時を巻き戻って世界を変える』とかよくある漫画で見たことがあるタイムスリップ
本当にそんなことがあるの…?

疑問を残したまま乃々は話を続ける




「私が12月31日に死ぬのは知っていた。“ある人”から教えてもらっていたから」




“ある人”が誰かなんてどうでもいい



乃々のまっすぐに私を見つめる瞳が私を貫いた
その瞳には強い意志が感じられる



「…私、死にたくないの。
…でも私は死ぬ運命にある。


……さぁて、私はどうするでしょう」




乃々が人差し指を立てて目を細める
質問に答えろと命令するかのように


けれど
思いついた答えはあまりにも


残酷だった。


「今、生きてる私を身代わりに殺して、代わりに私として生きる……?」


首を傾げて問えば乃々はパチパチと両手を叩いて笑んだ
嬉しそうにうっとりとした瞳を向けられ背筋が寒くなる



「せーいかーい♡」
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