桃色吐息
「思った通りだったな…」
車を走らせながら、助手席に座る私にジュンさんは話しかける。
「ビトに負けないくらい良い男だって紅緒が言ってたからさ、会ってみたかっんだよな。」
なんかそんな風に二人に言ってもらえて、こっちが恥ずかしくなる。
うちのお父さんみたく、大人受けはいいのかな?エイジ君は…
「ビトと同じ学年だろ?全然見えないよな、余裕で二十歳越えてそうに見える。」
「確かに、私もそう思います…」
でも、ちょっと子供っぽいとこもあるんですよなんて言ってみるけど、それを思い出すと自動的にあの人を思い出して、勝手にへこんでしまった。
「普通あんなにちゃんと接客できないだろ、高校生が。あいつなんかセンスいいしな。」
そうなんだよね、最近お店に行くようになって、私もそう思うようになった。
「ビトは元気ですか?」
やっぱり気になってそれも聞いてしまう。
「今紅緒と一緒に苗場行ってるよ。夏フェスで、ビトたちも歌うんだってさ。」
ビトたちってアキラ君と一緒にやってるあれかな?
「元気にバリバリ働いてるよ、だから桃ちゃんも気にしなくて大丈夫だからね。」
なんだか、べべさんと同じことを言うんだなあ・・・
車をうちの近所のパーキングに停めたあと、潤さんは二つばかりプレゼント用に包装してもらったさっきの服を持ってうちにやってきた。
お店から入ると目立つから、裏口からこっそり入る。
「ただいま~」
「お邪魔します。」
2人で居間に入ると、相変わらずお父さんはずっとテレビの前でゲームに夢中。
「ああ、おかえり。あれ、ジュン君いらっしゃい。」
お父さんはすぐにジュンさんに気付いて、ゲームをいったん中断してこっちに座りなおしていた。
「今お茶入れますね~」
私がそういってキッチンへ向かうと、いつもすまないねえなんて笑って言ってくれる。
「カズの誕生日プレゼント、まだ渡してなかったろ、やっと良いの見つけたから買ってきた。」
そういって、さっきの包みを渡すと、お父さんにほんとに似合いそうなカッコ良いシャツが2枚入っていて、サイズも丁度よさげだった。
「あ、ついでに付き合ってくれたお礼に、これは桃ちゃんにね。」
お茶を差し出す私にも、小さめの包みを渡してくれて、開けてみると私があの店でずっと気になっていたTシャツだった。
「さっき表参道で偶然桃ちゃんに会ってさ、買い物付き合ってもらっちゃったよ。」
「なんだよ、毎日どこいってんのかと思ったら、買い物してたのか。」
お父さんには言ってなかったから、なんか勘違いしてるっぽいなって思ったけど、そのままにしておこうと思ったんだけど・・・
「弁当持って毎日買い物に行くわけねーだろ。」
そうやってジュンさんが笑うので、私は口に指を当ててシーってポーズをした。
だけどジュンさんは、大丈夫って目配せする。
「弁当って、そういや今日も作ってあったな・・・」
今日はお父さんもいたから、ついでに作っておいたんだけど、それを食べてくれたらしい。
「それにしても、ジュン君はよくこういうの探してくるよね、俺絶対探せないわ。ありがとう。」
そういってお礼を言ってるので、潤さんが絶対着ろよっていうから素直にうんって答えている。
「これも、私欲しかったの、どうしてわかったんですか?」
っていったあと、あって思い出した・・・もしかして。
「どっちも、エイジが選んだからね。あいつちゃんとわかってるよな二人のこと。」
お父さんは、何だよそれって、ちょっとふてくされているけどまんざらでもないみたいだ。
「桃ちゃんのはね、毎日来てそればっか見てるから、欲しいんだろうって思ったんだって。」
ちょっと待って、そこまで言われるとばれるって思ったら、やっぱりお父さんがぷりぷり怒り出してしまった。
「なんだ桃、毎日行ってんのかあいつのとこ。それで弁当って・・・」
車を走らせながら、助手席に座る私にジュンさんは話しかける。
「ビトに負けないくらい良い男だって紅緒が言ってたからさ、会ってみたかっんだよな。」
なんかそんな風に二人に言ってもらえて、こっちが恥ずかしくなる。
うちのお父さんみたく、大人受けはいいのかな?エイジ君は…
「ビトと同じ学年だろ?全然見えないよな、余裕で二十歳越えてそうに見える。」
「確かに、私もそう思います…」
でも、ちょっと子供っぽいとこもあるんですよなんて言ってみるけど、それを思い出すと自動的にあの人を思い出して、勝手にへこんでしまった。
「普通あんなにちゃんと接客できないだろ、高校生が。あいつなんかセンスいいしな。」
そうなんだよね、最近お店に行くようになって、私もそう思うようになった。
「ビトは元気ですか?」
やっぱり気になってそれも聞いてしまう。
「今紅緒と一緒に苗場行ってるよ。夏フェスで、ビトたちも歌うんだってさ。」
ビトたちってアキラ君と一緒にやってるあれかな?
「元気にバリバリ働いてるよ、だから桃ちゃんも気にしなくて大丈夫だからね。」
なんだか、べべさんと同じことを言うんだなあ・・・
車をうちの近所のパーキングに停めたあと、潤さんは二つばかりプレゼント用に包装してもらったさっきの服を持ってうちにやってきた。
お店から入ると目立つから、裏口からこっそり入る。
「ただいま~」
「お邪魔します。」
2人で居間に入ると、相変わらずお父さんはずっとテレビの前でゲームに夢中。
「ああ、おかえり。あれ、ジュン君いらっしゃい。」
お父さんはすぐにジュンさんに気付いて、ゲームをいったん中断してこっちに座りなおしていた。
「今お茶入れますね~」
私がそういってキッチンへ向かうと、いつもすまないねえなんて笑って言ってくれる。
「カズの誕生日プレゼント、まだ渡してなかったろ、やっと良いの見つけたから買ってきた。」
そういって、さっきの包みを渡すと、お父さんにほんとに似合いそうなカッコ良いシャツが2枚入っていて、サイズも丁度よさげだった。
「あ、ついでに付き合ってくれたお礼に、これは桃ちゃんにね。」
お茶を差し出す私にも、小さめの包みを渡してくれて、開けてみると私があの店でずっと気になっていたTシャツだった。
「さっき表参道で偶然桃ちゃんに会ってさ、買い物付き合ってもらっちゃったよ。」
「なんだよ、毎日どこいってんのかと思ったら、買い物してたのか。」
お父さんには言ってなかったから、なんか勘違いしてるっぽいなって思ったけど、そのままにしておこうと思ったんだけど・・・
「弁当持って毎日買い物に行くわけねーだろ。」
そうやってジュンさんが笑うので、私は口に指を当ててシーってポーズをした。
だけどジュンさんは、大丈夫って目配せする。
「弁当って、そういや今日も作ってあったな・・・」
今日はお父さんもいたから、ついでに作っておいたんだけど、それを食べてくれたらしい。
「それにしても、ジュン君はよくこういうの探してくるよね、俺絶対探せないわ。ありがとう。」
そういってお礼を言ってるので、潤さんが絶対着ろよっていうから素直にうんって答えている。
「これも、私欲しかったの、どうしてわかったんですか?」
っていったあと、あって思い出した・・・もしかして。
「どっちも、エイジが選んだからね。あいつちゃんとわかってるよな二人のこと。」
お父さんは、何だよそれって、ちょっとふてくされているけどまんざらでもないみたいだ。
「桃ちゃんのはね、毎日来てそればっか見てるから、欲しいんだろうって思ったんだって。」
ちょっと待って、そこまで言われるとばれるって思ったら、やっぱりお父さんがぷりぷり怒り出してしまった。
「なんだ桃、毎日行ってんのかあいつのとこ。それで弁当って・・・」