桃色吐息
寝る前のストレッチをしていると、毎晩やってるのってナホさんに聞かれる。

「何となく、お父さんがそうしてるから、なんか真似って言うか…」

「やっぱりなぁ、桃ちゃんそういえば、運動してなさそうなのに華奢だから、なにかやってるなとは思ったんだよね。」

お父さんがていうのは、半分嘘で、ほんとはビトに習ったんだけどね…

あの人は自分自身にもストイックだけど、私にもそういうのを求めてきていたから。
絶対太っちゃダメってはっきり言われたもんなぁ…

まあでも、それがルーティーンになって、なんか割りと調子もよかったからいいけど。


「明日桃ちゃんは暇?さっきさ、カオリと原宿いこうって相談してたんだけど、一緒にいかない? 今夜のお礼にパンケーキおごってあげる!」


「えぇ、パンケーキ♪」


私はその提案にもちろんすぐにのって、一緒にいくってことになった。


ああ、夢にまで見たパンケーキだ… エイジ君と行きたかったけど、まあいいや…


「私スイーツがほんと好きで、色々行きたいんですけど、なかなかいけなくて、嬉しいなぁ~」

いつも、地元の店しかいってなかったもんなぁ…


「デートでいけばいいのに。」

カオリさんがそういって、蓮とよくお茶するよって教えてくれた。
まああれはある意味スイーツ男子だから、そうでしょう。


「エイジ君、カフェとか苦手みたいで、一回ぐらいしかお茶したことないんですよ。」


「そっか、でも桃ちゃんのケーキは食べてたって、前に蓮から聞いた気がするけどなぁ…」


「愛しの彼女が作るものは、何でもそりゃあ美味しいでしょう。」

ナホさんが当然のようにいうから、そんなものなのかな…





私たちは、横になってゴロゴロしながら、そういったどうでもいい話を繰り返して、いつの間にか眠ってしまった。
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