オプファー・シュピール~生け贄ゲーム~
・・・――もちろん、無理はしなくていいからね。
そうそう、もし贄が決まらなかったら関わった全員が死ぬ・・・ってメールが後々届くと思うんだけれど、贄決めに参加しなかった人も死んじゃうから、その辺りは気をつけて。
何かあったら力になるから、遠慮なく相談してね』
文ちゃんに送ったメールを見返していると、いつの間にか後ろから紗織ちゃんが覗きこんでいた。
「・・・まだ帰らなくて平気なの?明日も朝からバイトなんでしょ?」
そう言うと、返ってきたのは苦笑い。
「それ、生け贄ゲームのやつ?あたしは噂しか知らないけれど、心菜もやったことあるんだっけ」
都合が悪くなると途端に話題を変えるのは、ここ最近見つけた紗織ちゃんの癖。

その質問に頷くと「・・・あまりいい思い出じゃないんだけれどね」ととても小さな声で呟く。
あの時の事は、今でも夢に見るくらいに後悔している。
わたしが犯した過ちのせいで、大好きだった親友はもう二度と言葉を交わすこともその笑顔を見ることも出来なくなってしまった。

――ううん、彼女だけじゃない。
僅かな生存者を残して、16年という短い生涯をほとんどのクラスメイトが終えていった。

まだゲームが始まったばかりの文ちゃんには、わたしみたいにあんな悲しくて残酷な思いはして欲しくない。
その為なら、何だって――

「心菜?あたしそろそろ出るね?」
その言葉で、我に返る。
「あぁ、うん。わかった。遅くまでありがとね」

紗織ちゃんはスニーカーを履き終えると「じゃ、またね」と言い残して帰っていった。


――なんとなく、本当になんとなくなのだけれど、今回のゲームの主催者には心当たりがある。
もしかしたらその考えは外れているのかもしれないけれど、不正解かどうかは確かめてみなくちゃわからない。
わたしは覚悟を決めると、メール画面を開いてアドレスと文章を打ち込み、送信した。
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