記憶を失くした少女【完】
凌馬さんが同じ年でこの学校にいたらいいのにって、こうゆうとき本当思ってしまう。
そしたら、独りにならなくて済むし、何があっても味方でいてくれるという心の支えになるのにって……………。
「あ、もうお昼ね!授業はこの辺にしましょうか」
その言葉でシャーペンを机の上に置く。
昨日は屋上であの人たちに会ったから、今日は違うとこで食べようかな。
「そういえば、あの人たちを一度は見かけたかしら?」
「あの人たち?」
「最初のとき話したでしょ?RYUSEIの人たちよ」
『RYUSEI』と言われて、ふと星の方を思い浮かべたが、『あの人たち』と言っていたから、直ぐさま暴走族の方を思い出した。
「会ってませんよ」
「あら?よくこの辺通るんだけど……………」
会いたくもないんだけどね?
前の私が色々と問題を起こしたっぽいので、もし関わったら血だるまにされるかも………………だからね。
もう、本当迷惑だよね。前の私…!!!!
一体何考えてたんだよ…………………。
「昼休みとか前の廊下通るみたいだし、一度は見てみなさ~い!あの子達カッコイイのよ?みんな整った顔をしててね、この学校ではアイドル並みに人気なの!」
暴走族が……………アイドル並みに人気って……………。
「特に、総長の子が一番人気だわ~!クールなうえ女嫌いで有名な人なんだけど、あの年で威厳というか、何と言うか…………。カッコイイし、みんな姫の座にも憧れるのもあるらしいけど、それ含めなくても人気なの!」
先生の口が止まらない………………。
「先生もその人好きなんですか?」
「ん~……好きっていうか推しかな?(笑)あ、ちなみその子じゃなくて、瑠衣くんだよ♪」
瑠衣くん………………分からん!!
っていうか正直、暴走族に興味ないし、怖いっていうイメージの方が大きい。
だから、皆がキャーキャー言ってる意味も分からないんだよね。