記憶を失くした少女【完】


「何、してんのあんた?(笑)」

ケータイに集中してて気づかなかった。


昨日のギャル達が私の前にニヤニヤしながら立っていた。


嫌な予感しかしない。


「ケータイばかりイジっててさ、ケータイしか友達いないんですかぁ~?みたいな(笑)」

「それ、本当だったらマジウケるんですけど!!」

「ってかさ、コイツに友達とかいたっけ?(笑)」


きっと、この人たちは私が山田綺羅だったら、こんなには絡んでいなかったのだろう。


前の私に何かされたか、もしくは気にいらなかったから、今の私にあたるんだろう。


「ってかさ、それ見せろよ」

「あ………っ!」

あっさりと手に握ってたケータイを奪われてしまった。


まだLIMEの画面のままなのに…………。


凌馬さんはともかく、遥輝の名前をみたらヤバイよね?

だって、RYUSEIの総長?だったけ。


ただえさえ、このクラスのRYUSEIの人に歓声上げる人たちが、総長に歓声を挙げないわけがない。


「なになに~、うわっ2人しかいねぇーし!」

「みせて~!ほんとだ!!しかも、これ男じゃね!?(笑)マジビッチきめー!」

「まだ、援交してんのか?(笑)」


言葉は酷いけど…………………………………バレてないみたい?


「ってかさ、遥輝って言ったらRYUSEIの総長と一緒の名前じゃん!ウケるー!!」

あ、そんなわけないか!

やっぱりここの人なら誰でも知ってるっぽいね。


「確かに同じ名前!!あ、アレじゃね?もう1つアカウント持ってるとかで、遥輝様とLIMEしてるの妄想してんじゃね?(笑)イタいやつぅ~!!」


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