恋愛初心者
プロローグ
ザ―…


バシャバシャッ!


「相沢!!!」


え…


声のした方を振り返ると、そこには…


「…黒崎くん…」


息を切らしながら私に傘を差し出す黒崎くんの姿があった。


「はぁっ…はぁっ…風邪ひくぞ…」


「…」


「…相沢?」


「…てた…」


「え?」


「晴と…沙月ちゃん…キスしてた…」


「っ…」


私は黒崎くんに笑顔でそういった。


「あいざ…」


「沙月ちゃんの言った通りだったよ」


『邪魔なのはあなたよ…結衣ちゃん…』


『あなたさえいなければっ!私と晴は今幸せになれてた!』





「邪魔だったのは…私の方だった…」


「違う…晴だってほんとうは…」


「ねぇ…黒崎くん…」


ポタ…ポタ…


「恋って…こんなに痛くて辛いんだねっ…」


17歳の冬…私は〝恋〟がどういうものなのかを初めて知った…
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