イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない

千花side


フワフワとする浮遊感のあと、柔らかなスプリングの効いたベットに置かれた気はした。

朝起きたら私はいつの間にか、自宅のベットに寝ていた。

あれ？昨日は奈津子と飲んでて、私のモヤモヤを聞いてもらってたのに。

いつ、家に帰ってきたんだろう？

記憶が無くて悩んでいると、寝室のドアが開いた。

「千花、起きた？今日は二人して休みだろ。ちょっと話がある……」

伊吹がなんだか妙に沈んだ顔をして、部屋に入ってきた。

「お腹はすいてないか？気分悪くないか？」

心配そうに聞いてくる伊吹に、私は問題ないと首を横に振りつつ答える。

「昨日私寝ちゃったんだね。奈津子が送ってくれたの？」

記憶がなくとも、最後に一緒にいたのは奈津子だと思って私が聞く。
すると伊吹は申し訳なさそうな顔をして答えた。

「いや、昨日は帰れたから。米澤に聞いてお店に迎えに行ったんだよ」

そう言われて驚いた。

「ごめんね、疲れてるところに迷惑掛けちゃって……」


なんか、酔っ払って寝ちゃったのを仕事終わりの旦那さんに連れて帰らせるなんて……。

新婚早々から、とんだ嫁である。

そんな思いに囚われて凹む私に、さらに伊吹が追い打ちをかけた。

「千花、昨日の話。少し聞いた。ごめん、寂しい思いさせて。それに心配かけて。千花が分かってくれてるのをいい事に俺は甘えてたね。ごめん……」

そう謝ってきた。

「え？、えぇ？！昨日のあれ聞いたの？！」

伊吹の告白に、あまりの事にフリーズする私。

そして色々思い出して、サーっと血の気が引いてきて私は慌てて布団に潜った。