イケメン医師は今日も新妻が可愛くて仕方ない
「いやいや、待って!?私達付き合ってもなかったよね?それでどうして、いきなりプロポーズなの!?」


鈍感娘だと、認めよう。
その私が気づいてなかったのに、何をすっ飛ばしてプロポーズになるの?
そんな私の言葉に伊吹は呆れながら、説明をしてくる。

「は?休みはちょこちょこと合わせてて、よく出掛けてたよな?休み以外でもこうしてちょくちょく食事にだって行ってたよな?この状態をデートするカップルと言わないのか?ん?」

ん?幼馴染みで家も近いし、もののついでとしか認識してなかったけど?
首をかしげつつ、私の感じていたことを言う。


「まぁ、カップルでもするけど。私の認識では、幼馴染とご飯食べたり出掛けたりって認識しかなかったけど?」

おずおずと伊吹の顔を伺いながらも言うと、私の言葉に呆れながらも仕方ないって顔をしてからこう言った。

「でも、認識してなくても経過は辿ったわけだ。それも、もう長年な?そろそろお互いにいい歳だし、こうなってもいいだろ?という訳で千花、結婚するぞ」

「はぁぁぁ?!!そんなプロポーズある?!私に拒否権は?」

思わず突っかかる様に言うと、伊吹はフッとひと息つくと言った。

「あると思ってんの?」

ニヤリと笑うその顔は、いつもの爽やかさは無くなり腹黒そのもの。

この顔を出されて私は勝てた試しは無い……

「だって、付き合ったとも思ってない。好きとも言われてない相手と結婚するなんて、無理でしょ?」

私は間違ってない!
きっと間違ってない!
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