ずっと好きだ! 先生のこと


しかし、こう見ていると全てがとんとん拍子に行っているように思えるが、高校に通い始めた頃は、なかなか周囲とも馴染めなく、言葉の壁につまずき、うまくコミュニケーションも取れなくて、オレは孤立してしまっていた。

それは次第にイジメへと発展していった。


「アイツ何も意思表示もしないひ弱な子猿!」


アメリカ映画かなんかでありがちな、アメフト部のスター選手みたいな奴がなじって来る。

奴の名前はリックと言う。

実際、リックは活躍していたから学校では大事にされていた。

教師達も奴のすることに何も口出しはしないし、チヤホヤされ、好き放題していた。

そんなリックからオレは洗礼を受ける。

背中に飛び蹴りだ。

忘れもしない、木々が新芽を出し、辺り一面黄緑色をしたきらきらとした季節。

暖かな風が撫でていくのに、オレの心とは正反対だった。

しかもちょうど昼休みの食堂で、トレーラーに今日の昼ご飯を乗せて運んでる時に!

奴はオレの背中にお見舞いして来た。

全てをひっくり返し、転ぶ情けないオレの姿を見て嘲笑って、取り巻きと共に去って行きやがった。

ある時は、トイレに行こうとして、もう入り口の所でたむろしてるのを見た瞬間に、状況が把握できるような光景!


「トイレしたいなら金払え!」


「払えないなら殴らせろ!」


訳の分からん難癖つけては絡んでくる。


学校では漏らしはしなかったが、学校では全く用を足さず終えた日もあった。


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