ずっと好きだ! 先生のこと


「私、もう何も望んでないよ?だってこうしてちゃんと迎えに来てくれた。

徹……あなたなりの責任を果たしてくれた」

「徹?瞳!嬉しいぜ!その呼び方!やっと卒業できた感じだ」

オレはこの上なく嬉しかった。

「もう誰にも気兼ねしなくていいから」

「うん!いや!まだ足りない!まだオレは責任を果たしてない」

「徹」

恨めし気に「もう十分だから」と言わんばかりの顔で彼女が言う。

あともう少で時計の針が、同じ所をさそうとしている。

オレは、自分の会社創立一周年記念に、海外からたくさんの有名人や著名人など、セレブ達を招待し、高校時代、世間体を保つだけのために、早川先生を辞めさせた連中と、不潔呼ばわりして書き立てたマスコミに思い知らせるために、あえて、その場で、彼女、瞳にプロポーズした。

たくさんの人間が集まる中、たくさんのフラッシュを浴びる中、オレはひざまずいて、彼女に指輪を捧げた。

今度は、でっかいダイヤの乗った指輪を、オレの五年分の思いも込めて掲げた。

分かってほしかった!

例え未熟な年齢であっても、純粋に人を懸命に愛するってことを。

一時の感情だけでなく、その年齢でも悟れるものがあるということを。

若さゆえ、ひた向きにひたすら一人の人を愛せるということを。




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