君が好きです
あれは、私が花壇の花やりをしてる最中だった。


誰がやれ、と言われたわけじゃない。


ただ、私がしたいだけ。


ーーーガサガサ。


突然、草が揺れる音がした。


「あれ?華恋ちゃんだ。

キスしたことある?」


知らない男が、グイっと目の前に迫る。


ため息をこぼし相手をやっつけようと身構えた瞬間ーーー



「何やって……んだッ!!」


上ずった声が聞こえて振り向けば晃で。


「何ってキス??なんだ、お前邪魔」



なんて、邪険に扱われる。


「俺が、華恋ちゃんを絶対助けるから‼」


そして、目の前の男に体当たりをする晃は、男の一撃でノックアウト。


うん、知ってる。

晃が弱いことーー


「だから、私大丈夫だって………ば」


ヒュンーーーーー




何??


風を切る何かが、私を押さえる男の腕に落とされる。


瞬間、離れた。


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