もっともっと、キミのことを愛したいのに。

恐る恐るポケットから赤の生徒手帳を出す。

そして震える手で生徒手帳の表紙をめくった。


そこにはやっぱり!!

さっきの男の子の写真と共に名前、生年月日などがババーン!!と載っていた。


「ま、ママママママミちゃ...これ、さっきの子の...」


あわわわわわ、と効果音が出るんじゃないかってぐらいの動揺ぶり。

ほとんど言葉としての役割を持ってない私の発言をよそにマミちゃんは生徒手帳をマジマジと見つめている。

「如月 禅君だって〜。名前カッコイイじゃん」

「いや名前なんていいよ!!私これ返しに行かないとじゃん!!」

マミちゃんさっき私がその男のに何をされたのか忘れたの!?!?

「返しに行けばいいじゃない。」

「ヤだよ!!!だって私、この子にふぁ、ファーストキス奪われたんだよ!?」

乙女が夢見るファーストキスをだよ!?
さっきはドキドキと混乱で思考停止してたけど、今めちゃくちゃ怒ってるからね?
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