甘い魔法にかけられて
甘い時間を・・・

壊したのは私

文具店から手を繋いで
アパートまで歩く

ポツリ、ポツリと
少ない会話でも

自然と笑顔になるのは
穏やかな彼の纏う空気なのかもしれない


「今日はありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうね」

マンションとアパートの境で
繋いだ手を離さないまま

暫く話していた

「また」

「うん・・・あっ」

離そうとした手を
引かれて腕の中へスッポリ収まる

「また明日会えるよね?」

「はい」

少し離れた身体
首を傾けた航平さんの顔が近づいて

ゆっくりと重なった

初めてのキスは
啄むような優しいキスだった

名残惜しむように離れると
アパートの部屋へ

「あ~~」

ベッドにドサッと座ると
唇に触れる

まだ熱を発する唇

・・・キスしちゃった

まだドキドキする胸を
治めるように深呼吸する

まだ夢心地の気分を

遮るように何度も鳴るベル

帰り際に交換したSNSに
航平さんが牧場で撮った写真を
アルバムにして貼り付ける

・・・私より乙女だよね

クスッと笑いながら
そのまま放置でお風呂へ入った
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