【完】溺愛フラグが立ちました。
興味を持つもなにも、最初から貴方はミステリアスで魅力的な人で。持たないほうがおかしいと思いますが。
「残念ながらそのコンテストのイメージに合わなかっただけで。貴女のイラストが評価されなかったことにはなりませんよ。それで夢を諦めてしまうのは勿体無いとは思いませんか」
「そうでしょうか」
「あなたのイラストは、メインヒーローにするには好みが別れすぎた。だから一般受けしそうな『Haruca.』さんが最優秀賞に輝いた。もちろん絵柄も申し分なかったですが、そういったキャラの雰囲気がマッチしていればいいとこまでいけたと思います」
どうしてトノセさんは、私がコンテストに応募したイラストを知っているの?
サイトには載せなかった。未公開でしか応募できないから。
結果が出たあと、誰かに見せたこともない。
ううん、違う。
どうして『どのコンテスト』か、わかったの?
とあるゲーム会社とまでしか言っていない。
「あの……」
「はい」
「トノセさんって……まさか、」
「なんでしょう」
いただいた名刺に、暗闇で目を凝らす。
が、見えない。
今、頭にとんでもない考えが浮かんだ。
それを言ってもいいですか?
「……トノセさんの会社って……」
「おや。バレちゃいましたか?」