残念なイケメン、今日も我が道をゆく
すると、このやりとりを見ていた他の社員達から声が掛かる。


「主任、ご飯ぐらい付き合ってあげてくださいよ!こんなに一途に主任だけを見てくれるイケメンなんて、なかなか居ませんよ?」


そんな事務方の後輩女子社員の声に


「江崎さん、そろそろ優しくしてやってよ!段々とイケメンなのに報われないという現実にこっちまで悲しみが沸き上がるから!」


という男性社員からの声まで、聞こえてくる。


ギャラリーはすっかり御堂くんの味方だ。
しかし、人を好きになるのに周りから押し付けられるのは違うと思うし、それに応える義理はない。
きつかろうが冷たかろうが、はっきり言う方が良いだろう。


「御堂くん、仕事中のお誘いは辞めて。周りも仕事しなくなるから。それと誘われても私にとってはあなたは対象として見てないのよ。諦めてあなたを好きになってくれる人を選びなさい。」


そう、彼の目を見てハッキリと言うと私は再びパソコンでの事務処理作業に戻った。


しょぼくれながら、自分のディスクに戻っていく彼には優しい声掛けがなされていく。
それを、私は追い出しながらせっせと仕事をこなしていった。


少しばかり、ヒリっとした胸の内は無かったことにして。
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