残念なイケメン、今日も我が道をゆく
そんな彼女は、容姿は至って普通。


しかし、長く伸ばした髪は綺麗な艶を放つストレートの黒髪。
それにチタンフレームの細めの眼鏡をかけて、髪は一つに括っている。


それが彼女の仕事場でのスタイルだ。


着ているのは事務の女子社員に支給されるチェックのタイトスカートと紺のベスト。そのなかに今日は薄いピンクのシャツを着ている。


中のシャツは割と自由らしくいろんな色を着ている人が居るし、フリルがついてたり様々だ。


そんな中では江崎さんは普段は更にシンプルな白のシャツを着ている。
それが今日は薄いがピンクのシャツ。
何かあるのだろうかと気になってしまう。


それくらい、俺は彼女の事をつぶさに観察していた。
見つめていたと言っていい。


好きな人の事を気にしないでいられるわけがないのだが、気にはなるのに普段告白ばかりされてしたことが無い俺は、どうすればいいのか分からないので、見つめるままに日々が過ぎていく。


「御堂、手が止まってるけど?あなた仕事は大丈夫なの?」


見つめすぎて止まっていた俺に、少しキツめに声を掛ける彼女。


「あぁ、すみません。江崎さん、この書類初めてなんですけど、これで大丈夫ですか?」


そう確認する。
初めての書式なので、ファイルを見つつ作成した。
確認してもらう方が安心なので、声を掛ける。
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