呆れるくらいに君が恋しい。
そもそも、
そもそもアイツのせいだよ。
『桐谷ー!教科書貸してー』
何食わぬ顔で教科書を借りにくる山田。
俺の親友であり、悪友。
「見てー。優愛ちゃんからの超絶義理チョコ。」
アイツの手のひらに乗っていた
チロルチョコ2つ。
「お前にはどうせ手作りなんだろ?
俺の雑すぎね?」
優愛からチョコ貰ってる時点
文句言ってんじゃねぇよ。
本気で親友の顔を殴ってしまいそうになる。
俺には無いのに
お前には義理だとしてもチョコがあんの?
「黙れ。」
ほんと、ちょっと今やばい。
一人にさせて。
『…待って。』
ああ、ごめん。ごめん。ごめんな。
こんな不安そうな顔させてんの俺のせい。
でも、ごめん。
もう少しだけ時間をくれる?
そしたら、そしたら、
何事もなかったかのように
また君の前で笑うから。
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