呆れるくらいに君が恋しい。

「ねー、19日!予定ない人!
集まって花火見に行こう!」
部室に入るなり、両手をあげて皆に聞くと
皆は一様に首を振る。
「ごめんなさいー。彼氏と行くので。」
「予定ありまーす。」
「無理っす。彼女とデートなんで。」
「え、…あ、水島くんは?
水島くん彼女居なかったよね!?」
「いや、この前出来たんで。」
「うそ!」
「嘘じゃないっす。」
「ゆ、夕凪ちゃんは??」
「私は、門限が。」
「そか。。」
あ、あれ?
誰もいない…。

「颯ー…、花火行こうよ~」
振り向いた颯は怪訝な表情で。
「は?後輩は?」
「……。」
黙った私を見て、颯はフッと笑う。
「かわいそっ。」
性格!性格悪っ!!
「もういいし。」
颯に背を向け歩き出すと
大きな手に掴まれて
「しょうがねぇから行ってやるよ。」
見上げた私の頭を優しく撫でる颯。
「そのかわり、浴衣着てきて。」
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