クリスマスLOVE【オムニバス短編集】

「はい、こちらの書類にサインをお願いします」

渡された紙面に目を通して、書名をして返すと、

「……社長、なんだか楽しそうでしたね?」

言われて、ふふっと小さく笑われた。

「…あ、」

言ったきり、上手い返しができずに黙り込むのに、

「……もうすぐ、クリスマスイヴですからね…」

見透かしたようにも彼女は言って、

「どうぞ、良いイヴをお過ごしくださいね」

と、笑顔を向けた。

「…ああ、ありがとう……」

照れくさくなりながら応えて、赤くなりそうな顔に頬づえをついて隠したーー。


< 2 / 26 >

この作品をシェア

pagetop