紅の葬送曲
「……今の言葉、撤回してもらえませんか?」
「は?」
「アンタらみたいなのが警官になれるなら世も末だなって言葉、撤回して下さい」
「何故?」
彼は目が細めると鼻で笑った。
この男、絶対私達のことを見下してる。
噛み締めた奥歯がギリリと鳴った。
「俺は正論を言ったまでで、撤回する意味が分からないな」
撤回するつもりはないらしい。
次の瞬間、私は彼の頬を思い切り平手打ちをしていた。
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