紅の葬送曲



「いーやーでーす!離してください!」





私は必死にその場に踏み留まろうと足に力を入れる。




「往生際が悪いな、まったく……」





寿永隊長はそんな私の手を掴み、ズルズルと引っ張りながら歩いている。





「まったくはこっちの台詞です!何で、私が寿永隊長と寿永本邸に行かないといけないんですか!?」





そう、私は彼に強制的に寿永本邸に連れていかれようとしていた。




何で私!?





別に自分の実家なんだから一人で帰れば良くない!?




すると、寿永隊長は足を止めて私の方を見た。




そして、スマホの画面を私に見せてきた。





画面には一通のメールが映し出されていて差出人は≪寿永汀≫、寿永隊長の弟さんの名前になっていた。




「弟からメールが来て、お前のことがあの人にバレたらしい」





あの人ってまさか、寿永隊長のお母さん?





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